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著作等でご存知の方も多いと思いますが、聖路加国際病院理事長で本年10月には102歳を迎えられる日野原重明先生が、先日、本市でご講演されました。先生は近年、65歳以上を「老人」とする考え方は実態に即していないとして、75歳以上の自立して生きる新しい老人の姿を「新老人」とする新たな概念を提唱されています。今講演では、「私たちの運命は自分でデザインしよう」と題し、新しいことにチャレンジすることの重要性を説かれました。先生自らも、俳句、フェイスブック等、ここ数年間にも様々な新たな取り組みを始められています。会場のサンビームやないには、平日で猛暑の中にもかかわらず多くの方が来場され、随所にユーモアを交えたお話に熱心に耳を傾けていました。
先生のお話をお伺いして私の頭に浮かんだのが、市内の病院に管理栄養士として勤務されている木村僖乃さんです。木村さんは、65歳からマラソンを始められ、全国の数々のマラソン大会で優勝(70歳以上の部)されるなど輝かしい成績を収められています。「1に運動、2に食事」と、本当にマラソンという心身ともに過酷な競技に、楽しんでチャレンジされておられる姿は、日野原先生の常に前向きな姿勢と大いに共通しているように感じました。
日本は本格的な人口減少時代を迎え、本市でも2040年には2010年比で約1万人の減少が予測されています。少子化に加えて、2016年頃からは65歳以上人口の減少も始まります。その一方で、その後10年間は75歳以上人口が増加し続け、日野原先生の提唱する「新老人」の方々が大きな層となってきます。
「新老人」に限らず、市民の皆様には、新しいことにチャレンジされ、新たな生きがいや人との出会い等により、益々充実した日々を過ごしていただきたいと願います。