本文
柳井茶臼山古墳 昭和23年1月14日指定 柳井市柳井字向山305 茶臼山古墳キャラクター チャウニー | |||||
この古墳は、山陽本線柳井港駅の北西約1キロメートル、周防灘を臨む標高約80メートルの丘陵上にある。古墳時代前期末(4世紀末)に、地山を削り出して造られた前方後円墳である。 古墳の向きは南々西に面し、規模は全長90メートル、後円部径約57メートル、後円部推定高8メートル、前方部推定幅40メートル、くびれ部幅34メートルである。前方部二段後円部三段の築成で、東側くびれ部の後方位置に造出しをもつ。外部施設として葺石および埴輪を設置する。埴輪の種類は、円筒、朝顔形円筒(器台に壷を乗せた形態を残す)、家形及び蓋(日傘)形の四種である。 内部主体は後円頂部にあり、内法が長さ6メートル、幅約1.3メートルの竪穴式石室である。室内の床には粘土を貼り、その上に小円礫を撤く。壁は安山岩の偏平な割石を小口積みする。 | |||||
明治25年に銅鏡五面(うち一面は現存せず)、銅鏃、鉄剣、鉄刀、朱が発掘されている。さらに平成四年の調査では、鉄剣、鉄刀、刀子、ヒスイ製勾玉、碧玉製管玉、銅鏡片の副葬品を新たに得た。 その出土鏡のうち、直径44.8センチメートル、重さ8.950キログラムもある単頭双胴鏡怪獣鏡は、古墳時代の鏡しては日本一の大きさで、この古墳を全国的に有名にした。 | <単頭双胴怪獣鏡> 青銅製(東京国立博物館蔵) | ||||
<単頭双胴怪獣鏡> 青銅製(東京国立博物館蔵) 漢式鏡を模して日本で作ったぼう製鏡である。神(仙人)と獣を組み合わせ、一つの頭に二つの身体をもつ奇妙な図柄を主文様とし、小竜なども配している。図像を変形させ漢字を略してはいるものの、精緻なレリーフで、直径44.8センチメートルもの大鏡によく鋳上げており、当時の高度な技術レベルがわかる。 <画文帯神獣鏡> 青銅製 県指定文化財(県立山口博物館蔵) 直径18センチメートル。中国で作られた舶載鏡で、神と獣を主文様とし、吉祥句を刻んでいる。 <内行八花文鏡> 青銅製 県指定文化財(柳井市蔵) 直径19.5センチメートル。天子の座を飾る天蓋の幕を主文様とし、漢字を蕨手文に替えたぼう製鏡。 茶臼山古墳出土品一括へ | |||||