広報やない平成24年2月23日号(P11)
市長コラム「柳井で暮らす幸せ」
360年の絆・阿月神明祭
2月11日に阿月神明祭が盛大に開催されました。この祭りは、安芸国の小早川氏の流れをくむ浦氏の第十代浦就昌が、正保元年(1644年)に上関から阿月へ移封した際に始まったとされ、360年以上の歴史を誇る行事です。昭和56年に県の無形民俗文化財、平成21年に国の重要無形民俗文化財に指定され、昨年7月には本市の地域ブランド「きんさい柳井」の認証を受けています。
祭りでは、東西それぞれの神明宮前の浜で御神体の起し立てが行われます。その後に、水祝いという前年に結婚した男子を海に投げ入れるならわしもあります。私も昨年経験させていただきましたが、真冬の海水は「冷たい」を超えて「痛い」と感じるくらいでした。日昼は神明太鼓の披露、長持ちじょうげと神明踊りが奉納され、夜には御神体に火を点けるはやし方が勇壮に行われ、祭りはクライマックスを迎えます。
今年は、テレビ番組の取材のため、エジプト考古学者で早稲田大学の吉村作治教授がお越しになられました。教授は「御神体を囲み、幸せを求める人々の美しい姿に接することができ、派手ではないが厳かで伝統を感じる祭りだ。全国の祭りを訪ねているが、素晴らしい力を感じる」と仰られていました。
私は、昨年の祭りに参加させていただいた際、地域の方々と心通わせる中で、祭りの時期には関東や関西から必ず帰省される方もいらっしゃるというお話をお聞きし、地域の絆を身をもって感じました。今年も祭りを拝見しながら360年の絆を改めて実感したところです。
市内には各地区に伝わる祭りが数多くあり、地域の方々が一体となって祭りを受け継いでおられます。祭りをはじめとする伝統文化を次の世代に継承することは、今を生きる私たちの使命でもあり、そういった思いが地域のコミュニティを支え続けていくのだと感じています。
柳井市長 井原 健太郎
保健センターだより
3月は自殺対策強化月間です
わが国の自殺者数は年間3万人を超え、1日あたり約80~90人が自ら命を絶っています。自殺未遂者はさらにその10倍はいるとされ、自殺は誰もが出会う可能性がある問題です。大切な人を自殺でなくさないためには、どう行動すればよいでしょうか。
(1)気づき:家族や仲間の変化に気づいて、声をかける
自殺を考えている人は、「死にたい」と思いつめる一方で、「生きたい」「助けてほしい」という気持ちから周囲にサインを発しています。これを見逃さず、声をかけ、「あなたは決してひとりではない」ということを理解してもらいましょう。
(2)つなぎ:早めに専門家などに相談するよう促す
自殺者の9割以上に心の病気があったと言われ、適切な治療を受けていた人はそのうちの2割に過ぎません。不眠、食欲不振、体重減少や飲酒量の増加などの変化に注意し、心の病気を早期発見、そして適切な治療に結びつけることは、自殺から命を救うことにつながります。本人の受診が難しければ、家族や周囲の人だけでも専門家へ相談してみましょう。
(3)見守り:温かく寄り添いながら、じっくりと見守る
自殺を予防するには、悩みを抱えた人のサインを的確にとらえなければなりません。元気になったように見えても「もう大丈夫」と油断せず、長い目で温かく見守りましょう。
※市保健センターでは毎(月曜日)第1(水曜日)曜日の13時30分から15時まで「こころの相談会」を実施しています。精神保健福祉士が相談に応じます。悩みごとや不安をお持ちの人は、ぜひご利用ください。
問い合わせ 市保健センター 電話(22)1190