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広報やない平成30年10月11日号テキスト版01

更新日:2018年10月11日更新 印刷ページ表示

広報やない平成30年10月11日号(P2~6)

特集
サザンセト音楽祭が30回を迎えます
サザンセト音楽祭はサンビームやない開館後、昭和63年から柳井広域圏住民を対象に、洋楽、邦楽及び郷土芸能の発表の場として、ほぼ毎年開催されてきました。
今年度、サザンセト音楽祭が30回を迎えるにあたり、長く開催にご尽力いただいているサザンセト音楽祭実行委員の松宮由美子さん、藤村宏山さん、杉山充さん、重本保恵さんにお話を伺いました。(以下、敬称略)
●問い合わせ
 サンビームやない 電話22-0111

松宮 由美子
ピアノ教師
第1回目から実行委員として参画。子どもから大人までピアノ指導を行っており、多くのピアノ奏者、講師を輩出している。
藤村 宏山
宏清会 代表
都山流尺八師範。音楽祭には第1回目から参加、実行委員としては20年以上参画しており、現在、山口県邦楽連盟副会長、柳井市邦楽連盟会長を務める。

音楽祭への想い
館長 サンビームやないの自主文化事業である「サザンセト音楽祭」を長きにわたり開催できたことを皆様に感謝いたします。30回を迎えてのご感想は?
松宮 第1回は切望していた文化会館「サンビームやない」が完成し、当時の白地市長はじめ皆が喜び、盛大に開催されたのを憶えています。プロの音楽家で言えば、声楽家の中井亮一さんも第7回にトランペットで出演していたり、ニューヨークで活躍中のバイオリニスト、多治比純子さんも高校時代にこの舞台を経験しています。ピアノの部門では、コンクールの上位入賞者や音大を受ける生徒が出演しています。ほかにもたくさんの方々が、この30年、サザンセト音楽祭から輩出したと言えます。
 特に子どもたちがこの音楽祭を経験することは、情操教育の過程で素晴らしい体験になっていると思います。
館長 この音楽祭に出られることが「あこがれ」ということもあるのでしょうか。
松宮 はい。クオリティをずっと保ってきたことが、発表会ではないこの音楽祭のすばらしさだと思います。今年は23組も出演していただけるのですが、これも、代が変わりながらも、柳井広域圏内でそれぞれの音楽、芸能活動が脈々と続いているということだと思います。初期のころに出られた方が、お子さんと親子で出演されたりしています。
藤村 サンビームやないができて発表の機会が増え、大変嬉しかったですね。邦楽の部は、仕舞から始まって、筝、尺八、三味線のいわゆる三曲というものを一緒に聴けるこの近辺では珍しいステージで、非常に楽しみにしています。大きな舞台というのは本当に気持ちのいいものです。
館長 印象に残っているのは?
藤村 個人的には第10回に尺八と箏による「春の海」を演奏したことです。また第25回に初めてコーラスと邦楽とのコラボレーションをしました。今までにこのような試みは見たことがなく、サザンセト音楽祭ならではですね。
館長 この音楽祭を目指して練習しようという意識もあるのでしょうか。
藤村 邦楽の発表の場は少なく、出演はこれだけという会もあり、ひとつの生きがいになっている方もおられます。また大舞台ですので、みなさん恥ずかしい演奏は見せられないと、技術の向上に一生懸命取り組んでおられます。
 とはいえ邦楽では新しい人が出てこないことに苦慮しています。昨今の状況は、洋楽のように小さい子が出演して、これをベースに次の代へ…ということがありません。各師匠の責任でもありますが、うちの孫もピアノ、トランペット、フルートなどの洋楽はやっても邦楽はなかなか興味を持ってもらえません。少子化で子どもの数も全然違いますし、また子どもは忙しく、スポーツのほうに行く子どもも多いですね。裾野を広げる活動も進めていきたいと思っています。

杉山 充
柳井少年少女合唱団(コールバンビ)団長
当初よりコールバンビの指導者として、小中学生の音楽活動の充実に尽力している。また柳井混声合唱団として参加している。
重本  保恵
サンフラワーズオーケストラ所属
柳井混声合唱団やこちゃママの一員として音楽祭に参加。また、サンビームやないで開催されている災害復興支援コンサートにも尽力している。

サンビームやない と サザンセト音楽祭
 サンビームやないは、昭和61年10月6日、文化活動、社会教育活動の拠点となるべく柳井広域圏住民待望の総合文化会館として開館しました。観客席数は1,108席を備え、舞台は各種演劇やオーケストラのコンサートなどが行える十分な広さがあります。また、設備においても残響可変カーテンなどを備え、各種の文化的活動をする方々にとって、達成感、充足感を醸成する貴重な体験ができる場となっています。
 それを活用しようと、昭和63年に「柳井市、周防大島町、上関町及び平生町(開催当時、旧大畠町を含む)において、音楽に親しみ、演奏技術の向上をめざしている個人・団体が一堂に会して、日頃の成果を披露し楽しむとともに、芸術文化の振興に寄与する」ことを目的とした「サザンセト音楽祭」が開催されました。
 この音楽祭は、洋楽、邦楽及び郷土芸能の3部で構成され、毎年、様々な団体が出演しています。洋楽の部では、ピアノ、弦楽、合唱、声楽、打楽器、吹奏楽、管弦楽など、邦楽の部では、筝曲、仕舞、民謡、津軽三味線、長唄、尺八などの発表のほか、5年前の25回にはエキシビションとして洋楽と邦楽のコラボレーションも行っています。郷土芸能の部では、開催当初には、阿月神明太鼓や伊保庄餅つき唄、伊陸糸操り人形(いずれも柳井市)、エイヤー島中太鼓、えびす舞(いずれも旧橘町)、神楽、神舞(柳井市、平生町)、銭太鼓(平生町)、お囃子(柳井市)など、多様な芸能が披露されています。

サンビームやないの音響は
重本 サンビームやないの音響は特に生音がすばらしいと思いますが、邦楽ではどう感じますか。
藤村 4年前、県の音楽祭を引き受けましたが、音響が素晴らしかったと皆さんに好評でした。うまくなったのかと思うほど違います。
重本 実際に聴いてみるとすばらしい。普段このような邦楽は、広島まで行かないと聴けませんし、無料で聴けることもすごいことですよね。

音楽祭の課題、プロモーション
杉山 実行委員としては1年余りですが、発表の場として音楽祭に大きな意義があると思っています。
 今後考えることとしては、出演者のプロモーション活動が必要ではないかと思います。これまで以上に、観客の動員や出演者の掘り起こしがうまく回り始めればいいなと思います。
 若者層の育成としては、洋楽だけでなく邦楽も取り上げつつ、指導者と学校とのつながりを、教育委員会がコーディネートしてはどうでしょうか。
松宮 他の市民音楽祭でも観客がとても少ない。自分の演奏が終わったらすぐ帰ってしまいます。文化祭などの学校行事や試験と重ならないことも必要かと思います。あと観客の年齢層は高いですね。
重本 学校からはぜひ、生徒を連れてきてほしいですね。生の演奏を聴けることはなかなかないと思いますから。
館長 子どもたちがこういう世界があることを知り、テレビやインターネットではなく、生で音楽を聴けるよい機会になりますね。映像で見るのとは全く違います。
杉山 文部科学省が小中学校の現場に能や邦楽、演劇を出前しているそうです。
 本物と生でふれあうことが大切だと思うので、サンビームやないの自主事業でも、そういったことと連動していただけると、掘り起こしにつながるのでないでしょうか。
松宮 邦楽の部では、仕舞の柳井観瑶会がずっと出ていますが、狂言などは子どもにもわかりやすいですよね。

子どもたちの晴れの舞台として
館長 参加する子どもたちは楽しみにしていますか。
杉山 晴れの舞台という意識はあります。サンビームでの発表は緊張の度合いが違う。プレッシャーはすごいですが、原動力、モチベーションになっています。子どもは楽しみにしています。
 サンビームやないでオペレッタができることを楽しみにバンビに入団する子どもたちも多いです。発表の場としてのサンビームやないが、大きなファクターになっています。ただ団員が少なくなると、経営的にも難しくなり、サンビームの使用も厳しくなるかもしれない。
 子どもたちの発表の場がもっとあればと思います。それに連動してサザンセト音楽祭へ出演となる、そういったうねりとなればうれしいですね。

音楽祭、サンビームやないの運営は
杉山 サザンセト音楽祭を無料で続けているということは、地域に貢献していると思います。
藤村 ほかの邦楽の大会では参加だけすればよいということはなく、皆が裏方をして、さらに演奏時間×1,000円、2,000円とかの出演料が必要です。柳井はこの音楽祭があることが素晴らしい。
重本 柳井市は直営でやっていますが、ほかの多くは財団経営なので参加料が必要なのでしょう。財団経営であれば、そういうこともあると思います。
館長 サザンセト音楽祭はサンビームやないの自主文化事業として行っていますので、市が費用を負担しています。
重本 サンビームの使用料には基本的に減免規定はありませんよね。
館長 使用料の減免についての要望はあります。使用料が高いと言われることもありますが、料金改定を行い近隣ホールのほぼ半額となっています。光熱費や舞台機器を管理する専門の人などが、必要ですし、使用料をいただいても、それ以上の費用がかかっています。
重本 過去には、スタインウェイの弦の全面交換に150万円程度かかったこともあると聞きました。
館長 会館の心臓部は音響と空調と照明の3つです。今年度は約4千万円かけて、舞台機構操作盤とシーリングスポットライトを改修します。
 照明の色調変更などは壊れたら終わりとなる設備ですが、そういう事態になれば、主催者の持ち込みで対応してもらうようになります。
杉山 サンビームやないの今後は?
館長 音響・空調・照明の3つを確保し、最低限の機能を残しながら使っていきたい。プロ仕様の演出はできませんが、ホールとしての使用が継続できるようにしたいと考えています。
杉山 サンビームやないがもっと活用できるような方向性を持ってほしい。こんな音響のいいホールはないですから。

最後に
館長 サザンセト音楽祭は昨年から山口県芸術文化祭「やまぐち文化プログラム」協賛事業として行っています。また、10月は周防ケーブルネットの「柳井市政だより」で柳井高等学校生徒さんが出演、告知していますので、そちらもご覧ください。
 出演される方々の素晴らしい演奏を私も楽しみにしています。本日はありがとうございました。

洋楽の部:平成30年11月11日日曜日12時30分開演
 郷土芸能の部・邦楽の部:平成31年1月20日日曜日13時開演
洋楽の部はピアノ、合唱、声楽、ギター、打楽器、吹奏楽、管弦楽など23組、約260人が出演します。出演者は以下のとおりです。
柳井吹奏貘団(柳井市・吹奏楽)、竹ノ下陽悠(柳井市・ピアノ独奏)、藤山優(柳井市・ピアノ独奏)、中村優月(周防大島町・ピアノ独奏)、柳井少年少女合唱団(柳井市・合唱)、森田匠(柳井市・ピアノ独奏)、河内陽菜・竹内晴奏(周防大島町・ピアノ連弾)、大島混声合唱団(周防大島町・合唱)、 神戸華子(周防大島町・ピアノ独奏)、コールやない(柳井市・合唱)、こちゃママ(柳井市・合唱)、抒情歌を唄う会(柳井市・合唱)、森田なつは・安酸沢子(柳井市・ピアノデュオ)、アンサンブルFly(柳井市・合唱)、神出裕子(柳井市・ピアノ独奏)、中川幸範(柳井市・声楽)、山口県立柳井高等学校弦楽部(柳井市、弦楽合奏)、古見樺菜(周防大島町・ピアノ独奏)、柳井混声合唱団(柳井市・合唱)、宮本望来(平生町・打楽器)、重村佳男BAND(柳井市・JAZZ)、サリティオ(柳井市・クラシックギター合奏)、山口県立柳井高等学校フィルハーモニー管弦楽団(柳井市・管弦楽)(敬称略)