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特集 各地で愛される金魚ちょうちん
柳井の夏の風物詩として、白壁の町並みをはじめ多くの場所に装飾されてきた「金魚ちょうちん」。近年、金魚ちょうちんは各地のイベント、テレビドラマやコマーシャルなどに登場しています。今号では、金魚ちょうちんの人気の広がりや、そこから生まれた交流を紹介します。
●問い合わせ 商工観光課 電話22-2111内線363
市や県の顔役を担う金魚ちょうちん
市地域ブランド「きんさい柳井」に認証
市では現在、産業や歴史文化、自然など64種類を市の優れた地域資源として認証しています。中でも金魚ちょうちんは、その顔役として市のPRに大きな役割を果たしています。
山口県を代表する工芸品に
県を代表する工芸品には萩市の萩焼や山口市の大内塗などがありますが、金魚ちょうちんもその一つです。最近では、海外で県を紹介する際に金魚ちょうちんが使われるなど、活躍の場が広がっています。
人気を集める金魚ちょうちん
金魚ちょうちんは、特に夏のイベントに彩りを添えています。次の3つのイベントの担当者にその内容や評判を聞きました。
新日屋 「納涼金魚ちょうちん船」(東京都中央区)
金魚ちょうちんが屋形船を彩り、日本橋から隅田川をクルーズするイベントを行っています。浴衣でお出かけいただく企画として始め、金魚ちょうちんと浴衣姿がよくマッチしていると好評です。風になびく金魚ちょうちんの姿は大いに風情があり、乗船者に癒しを与えています。
ホテル雅叙園東京 企画展「和のあかり×百段階段」(東京都目黒区)
ホテル内の都指定有形文化財「百段階段」で行われる企画展にて、平成27年から毎年金魚ちょうちんを展示しています。累計約37万人の来場者を数え、毎年テーマも変わる中、金魚ちょうちんはその愛らしさから、当初より人気があります。
新川さくら館 「金魚ちょうちんまつり」(東京都江戸川区)
金魚ちょうちんが装飾され、和船で和楽器の演奏会などを行う祭りです。地域の小学生が色付けた金魚ちょうちんが館内を彩り、そばを流れる新川沿いに飾られた約400個の金魚ちょうちんには、夕暮れ時に明かりが灯ります。東京で暮らす柳井生まれの人が訪れた際には、懐かしいと喜ばれています。
金魚ちょうちんの普及に一役
全国に展開される金魚ちょうちんの展示。それを支える1人として普及活動を行う柳井市観光協会副会長の河野和明さんに活動にかける思いを聞きました。
柳井市観光協会副会長
河野 和明 さん
地域貢献という思いで活動
イラストレーターの兄が制作した金魚ちょうちんを描いたおみやげを、以前から東京などで売り込んでいました。ある時、売り込み先から金魚ちょうちんも紹介してほしいと言われ、地域貢献になればとの思いから金魚ちょうちんの普及活動を始めました。
▲普及活動開始後、最初に金魚ちょうちんが飾られた喫茶店「金魚坂」(東京都)
好評を博す金魚ちょうちん
活動の結果、金魚ちょうちんが評判を呼び、多くの展示依頼が舞い込むようになりました。その可愛らしさが写真映えするとして、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)でも人気があるようです。今では東京のほか、北海道から九州まで多くの場所で金魚ちょうちんが見られるようになっています。もしかしたら、金魚ちょうちんは市外の方がより評価されているのかもしれませんね。
▲井筒屋小倉店(福岡県)内の食雑貨店に並ぶ金魚ちょうちん
いろいろな飾り方を目にして
例えば東京のアトレ吉祥寺では、金魚ちょうちんを使って商品紹介とフォトスポットを合わせたゾーンが作られており、斬新な展示方法だと感じました。また日本有数の金魚の生産地である奈良県大和郡山市では、商店街のほとんどの店に金魚ちょうちんが飾られていました。コンビニエンスストアやチェーンの飲食店にも飾られているほどで、思わず見入ってしまいました。
▲大和郡山市の商店街。ほとんどの店舗に金魚ちょうちんが飾られています。
柳井と言えば「金魚ちょうちん」
マスメディアで市や県が紹介される時や県主催のイベントで大々的に装飾される時など、多くの場面で金魚ちょうちんを目にするようになりました。活動に一定の成果が上がり、「柳井市=金魚ちょうちん」のイメージが定着しつつあるのではと思っています。
▲大阪での県のイベントブース。ここでも金魚ちょうちんが飾られています。
地元柳井に還元を
今後は、各地で金魚ちょうちんの展示に携わった経験を地元に還元したいと考えています。その一環として、市観光協会の活動の中で、4月なら桜をイメージしたピンク色など、その時期に合った色の金魚ちょうちんを白壁の町並みに飾る取り組みを始めました。年間を通して楽しんでもらえると嬉しいです。
▲期間ごとに色とりどりの金魚ちょうちんが並びます。色付けは自身で行われています。
金魚ちょうちんのふるさと 青森県弘前市との交流
柳井の金魚ちょうちんは、青森県弘前市の「金魚ねぷた※」にヒントを得て、江戸時代後期に柳井縞の染料を使って作られたことが始まりだと言われています。そのつながりから弘前市と交流を深める柳井市白壁の町並みを守る会会長の木阪泰之さんに話を聞きました。
※金魚ねぷた
「ねぷた」は「ねぶた」と同義ですが、方言の違いで弘前市では「ねぷた」、青森市では「ねぶた」と呼ばれます。
▲弘前市の金魚ねぷた
弘前市との交流
弘前市との交流は、令和元年に本会の40周年記念事業として始まりました。まずは(一社)弘前文化財保存技術協会理事長の今井二三夫さんに柳井で講演していただきました。今井さんとは意気投合して交流を続けることになり、今度は本会会員が弘前市を訪れ、講演や弘前ねぷた祭りでの練り歩きなどを行いました。新型コロナウイルスの感染拡大が本格化した後も、弘前市で金魚ちょうちんを飾っていただくなど、できる形での交流を続けてきました。
▲(上)(一社)弘前文化財保存技術協会の皆さんと/(下)弘前ねぷた祭りでの金魚ちょうちんの練り歩きの様子
弘前ねぷたの製作
次なる取り組みとして、弘前ねぷたを柳井で紹介したいと思いました。せっかくなら作ってみてはという話になり、私が会長を務める市観光協会と有志の皆さん50人程度で6月から本格的に製作を始めています。完成したねぷたは今夏の金魚ちょうちん祭りで展示します。
▲製作前の説明会。弘前市との交流に当初から関わる三上さん(写真右)に協力をいただきながら製作を進めています。
弘前の皆さんとともに製作
三上さんには柳井まで何度も足を運んでいただいています。また、弘前の絵師さんに金魚ちょうちんをあしらったオリジナルの絵をねぷたに描いていただくなど、弘前の皆さんと一緒に製作することがより深い交流につながっていると感じています。弘前のねぷたを柳井で紹介できることは感慨深いです。
▲実際の弘前ねぷた。大きさは1つひとつ異なり、平均で高さ7mにもなります。
地道に交流を続けたい
これまで少しずつ培ってきたつながりを絶やさないよう交流を続けていきたいです。そしてお互いの文化や教養を深め、新たな何かが生まれるきっかけになればと期待しています。
弘前ねぷた 製作の様子を紹介します
▲ねぷた本体の骨組みを製作中。皆さん猛暑に負けず懸命に作業しています。
▲ねぷた上部の扇部分の骨組みです。製作するねぷたの大きさは白壁の町並みに合わせたサイズになります。
第31回 柳井金魚ちょうちん祭り
新型コロナウイルス感染症の影響により中止していた金魚ちょうちん祭りを3年ぶりに開催します。従来の祭りで中心となっていたねぶたの「練り歩き」や「爆走」、「金魚ちょうちん踊り」「ふるさと花火の打上げ」などの開催は見送り、金魚ちょうちんの装飾や金魚ねぶたの展示などをゆっくりと楽しむ鑑賞型の祭りとします。
●問い合わせ 柳井金魚ちょうちん祭り協議会事務局(商工観光課内)
電話22-2111内線363
8月6日土曜日 点灯式
18時45分~19時
○場所 白壁の町並み
○交通規制(右図)
18時30分~20時
※位置図はPDF版または音訳版で確認してください。
8月13日土曜日 本祭り
15時30分~20時
※前回の祭りよりも1時間繰り上げて開催します。
■主なイベント
▼オープニングセレモニー /15時30分~15時45分
▼消防音楽隊演奏 /15時45分~16時
▼白壁江戸祭り/15時30分~20時
▼金魚ねぶた・弘前ねぷた展示/15時30分~20時
8月6日土曜日~31日水曜日 金魚ちょうちん装飾期間
○場所 麗都路通り~白壁の町並み一帯
○電飾時間 19時~22時
来場者の皆さんへのお願い
新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、主に以下の内容にご協力をお願いします。その他の内容は市ホームページを確認してください。
■基本的な感染症対策に基づく行動を
▼マスクの着用
▼大声を出さない
▼手指の消毒
など、基本的な新型コロナウイルス感染症対策の実施をお願いします。
■飲酒はご遠慮ください
アルコール類の販売は行いません。持ち込みも含めてご遠慮ください。
■食事は決められたエリアで
麗都路通りやその周辺などに飲食エリアを設けています。食事はそのエリア内でお願いします(熱中症防止のため、水分補給はその他のエリアでも可能です)。
ボランティアスタッフ募集
参加者に「特製スタッフポロシャツ」をプレゼント!
○募集内容 右表のとおり
○対象 屋外で作業可能な18歳以上の人(高校生除く)
○申込方法 様式に参加希望イベントの番号、住所、氏名(ふりがな)、年齢、性別、電話番号、希望するポロシャツのサイズ(SS・S・M・L・LL・3L)を記入して申し込んでください。
※申込書は市ホームページから印刷可。
○申込期限 7月29日金曜日(多数の場合、調整)
○その他 事務局で傷害保険に加入します。収集した個人情報は祭り運営事務のために使用し、その他の目的には使用しません。
日程(10分前集合)/イベント内容/募集人数
1 8月2日火曜日 9時-12時/金魚ちょうちん装飾作業/5
2 8月13日土曜日 14時-20時30分/しらかべかき氷屋運営補助/3
3 8月13日土曜日 14時30分-20時/イベント補助/4
4 8月13日土曜日 15時-20時/かき氷屋台村運営補助/3
5 8月13日土曜日 16時-20時/清掃エコボランティア/10
7月7日木曜日時点の情報です。詳しくは7月28日木曜日の各戸配布チラシをご覧ください。
8月13日土曜日 15時~20時30分
交通規制区域
※図はPDF版または音訳版で確認してください。
無料駐車場は右図のほかにも南浜多目的グラウンド(臨時:シャトルバス運行)、柳井中学校職員駐車場(臨時)、市役所に用意しています。当日は車両通行止等により、会場周辺や駐車場の混雑が予想されますので、ご協力をお願いします。
シャトルバス
南浜グラウンド臨時駐車場~JR柳井駅間を10分おきに運行
協賛事業者募集
祭りと連携し、相互に催しを盛り上げる協賛事業を募集します。
○対象
7月1日金曜日 ~8月31日水曜日の間に開催されるイベントなど
○申込方法
商工観光課備付の所定の用紙(市ホームページからダウンロード可)で申し込んでください。
○申込期限 7月25日月曜日
キンスタグランプリ2022
金魚ちょうちん祭りのインスタグラムフォトコンテストです。
〇応募期間
8月6日土曜日~31日水曜日
インスタグラムに金魚ちょうちんに関連する写真をハッシュタグ「#キンスタグランプリ2022応募」をつけて投稿してください。
◆入賞者には金魚ちょうちんグッズなどをプレゼント!
昨年のグランプリ作品(左)と準グランプリ作品(上)