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共同親権について

更新日:2025年11月25日更新 印刷ページ表示

離婚後の子の養育に関する民法等の改正(共同親権等)について

改正の概要について

 令和6年5月に、父母が離婚した後のこどもの利益確保を目的として、民法等の一部を改正する法律が成立しました。

 この法律は、こどもを養育する父母の責務を明確化するとともに、親権・監護、養育費、親子交流、養子縁組、財産分与等に関する民法等の規定が見直され、令和8年4月1日に施行されます。

親権・養育費・親子交流などに関する民法改正の主なポイント

親の責務に関するルールの明確化

こどもの人格の尊重

父母は、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、こどもの心身の健全な発達を図るため、こどもを養育する責務を負います。その際には、こどもの意見に耳を傾け、その意見を適切な形で尊重することを含め、こどもの人格を尊重しなければなりません。

こどもの扶養

父母は、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、こどもの利益のため、互いに人格を尊重し協力しなければなりません。

父母間の人格尊重・協力義務

父母は、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、こどもの利益のため、互いに人格を尊重し協力しなければなりません。次のような行為は、この義務に違反する場合があります。

・父母の一方から他方への暴行、脅迫、暴言等の相手の心身に悪影響を及ぼす言動や誹謗中傷、濫訴等

・別居親が、同居親による日常的な監護に、不当に干渉すること

・父母の一方が、特段の理由なく他方に無断でこどもを転居させること

・父母間で親子交流の取決めがされたにもかかわらず、その一方が、特段の理由なくその実施を拒むこと。など

こどもの利益のための親権行使

親権(こどもの面倒をみたり、こどもの財産を管理したりすること)は、こどもの利益のために行使しなければなりません。

親権に関するルールの見直し

1人だけが親権を持つ単独親権のほかに、離婚後に父母2人ともが親権を持つ共同親権の選択ができるようになります。

父母2人ともが親権を持つ共同親権の場合

毎日の生活に必要なこと、例えば食事や着る服を決めること、短い旅行、予防接種や習い事などは、父母のどちらかで決めることができます。

大切なことは父母2人で話し合う

こどもの住む場所を変えることや将来の進学先を決めること、心と体の健康に大きな影響を与える治療やこどものお金の管理などについては、父母が話し合って決められます。なお、父母の意見が対立するときには、家庭裁判所で、父母のどちらかが1人でその事項を決められるようにする裁判を受けることもできます。

(注意)父母間の合意がない場合は、裁判所が関与します。

一方の親が決められる緊急のケース

暴力等や虐待から逃れるために引っ越すこと、病気やけがで緊急の治療が必要な場合などは、父母のどちらも1人で決めることができます。

養育費の支払い確保に向けた変更点

合意の実効性の向上

養育費債権に「先取特権」と呼ばれる優先権が付与されるため、債務名義がなくても、養育費の取決めの際に父母間で作成した文書に基づいて、差押えの手続を申し立てることができるようになります。

法定養育費とは

離婚のときに養育費の取決めをしていなくても、離婚のときから引き続きこどもの監護を主として行う父母は、他方に対して、一定額の「法定養育費」を請求することができるようになります。また、法定養育費の支払がされないときは、差押えの手続を申し立てることができます。

法定養育費は、あくまでも養育費の取決めをするまでの暫定的・補充的なものです。

裁判手続きの利便性向上

家庭裁判所は、養育費に関する裁判手続きをスムーズに進めるために、収入情報の開示を命じることができることとしています。また、養育費を請求する民事執行の手続きでは、地方裁判所に対する1回の申立てで財産の開示、給与情報の提供、判明した給与の差し押さえに関する手続きを行うことができるようになります。

安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し

親子交流の試行的実施

家庭裁判所の手続き中に親子交流を試行的に行うことができます。家庭裁判所は、こどものためを最優先に考え、実施が適切かどうかや調査が必要かなどを検討し実施をうながします。

婚姻中別居の親子交流

父母が婚姻中にこどもと別居している場合の親子交流は、こどものことを最優先に考えることを前提に、父母の協議で決め、決まらない時は家庭裁判所の審判等で決めることがルールとなります。

父母以外の親族とこどもの交流

祖父母など、こどもとの間に親子関係のような親しい関係があり、こどものために必要があるといった場合、家庭裁判所は、こどもが父母以外の親族との交流を行えるようにできます。

 

詳しくは、下記リンクをご参照ください。

 

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