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行里の五輪塔 一基 昭和55年9月10日指定 | ![]() | |||
柳井市白潟西の行里にある五輪塔は、黄土色の凝灰岩製で、総高99.8センチメートル、総重量137.0キログラムあり、凝灰岩の特質をよく生かした、素材で堂々とした威容で、薬研彫りの四門梵字がそろっているものもめずらしく、その形式、手法からして鎌倉時代末期の製作と推定される。 この五輪塔は、現在平井 忠家の庭園隅に、他の花崗岩製の五輪塔五基分以上と合祀されているが、古くは平井家の東方約80メートルの地の二個所にあったもの。 四門梵字のほかに銘文はない。この五輪塔にまつわる「七人ミサキ」の伝説は『玖珂郡志』にも記されているが、凝灰岩製のものと他の花崗岩製のそれとは、造顕年代にかなりの開きがあると思われ、伝説とのかかわりは今後の調査を待たなくてはならない。 この五輪塔は、現在のところ市内では最古で最大のものだが、法量は次のとおり。 (単位はセンチメートル) 総 高 99.8 地輪高さ 20.4 表の縦37.7、横37.8 水輪高さ 29.0 上・下面平旦で重厚な球形 火輪高さ 22.6 空風輪高さ 27.8 総重量 137.0キログラム | ||||