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平郡の魚類供養塔 一基 昭和59年8月15日指定 | ||||
浄土宗明城山円寿寺境内にある魚類供養塔は砂岩の塔碑で、花崗岩の上・下二段の基礎の上に立つ。 高さ63センチメートル、前幅22.5センチメートル、奥行21センチメートル、角柱上端四角形の角は丸味をつけた仕上げになっている。この塔碑の陰刻銘文は次のとおり。 正 面 「江海魚鱗離苦得楽」 右側面 「法華経一部」「三部経一部」 左側面 「明和九辰年二月立之」 背 面 「施主 佐伯屋吉右衛門」 銘文によれば、明和9年(1772)に佐伯屋吉右衛門が施主となって建立したものであるが、内部には供養のために 法華経一部と三部経一部が納経されていたと想像され、このような魚類供養塔は県下でも珍しい。 佐伯屋は江戸時代に豊後水道に面した現在の大分県佐伯市方面に出漁して財をなした網元で、この供養塔から当時の平郡島漁民の美しい心情のほどがしのばれる。当時の供養の記録はないが、今日では平郡西の全住民によって、毎年夏に手厚い供養が営まれている。 | ||||